1. |
孔の深さ
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切削加工可能な孔の深さは、実験と経験からA/F(対辺寸法)別に下記数値をお勧めします。
また下記数値よりも深い孔の切削加工も可能ですが、この場合孔の最終地点ではA/F(対辺寸法)が狭くなる可能性があります。
・A/F4〜15mm : A/Fの2倍
・A/F16〜50mm : 30〜50mm
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2. |
孔精度 |
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孔の加工精度はH11が可能です。
より高精度な加工が必要な場合、ブローチの供給も可能です。
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3. |
エッジ角度 |
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四角孔、六角孔切削加工後のエッジ角度は下記の通りです。
・四角孔 : R = A/F x 0.125
・六角孔 : R ≒ 0
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4. |
回転数と送り速度 |
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四角孔、六角孔切削加工時の回転数及び送り速度は、A/F(対辺寸法)別に下記数値で行って下さい。
大半の材質は下記数値での切削加工が可能ですが、特に硬度の高い材質の場合は、回転数は変えずに送り速度を遅くし、段階を踏みながら必要な深さまで切削加工して下さい。
加工率(回転数x送り速度)を低くする事により、加工精度を高め、カッター及びテンプレートの磨耗を防ぎます。
送り速度の上昇は、加工率を高め、各パーツへの負荷抵抗を上昇させるため、不具合の要因となります(最大負荷抵抗:900N/mm2)。
回転数
・A/F 4〜6mm : 170〜200rpm
・A/F 7〜15mm : 150〜180rpm
・A/F 16〜25mm : 120〜150rpm
・A/F 26〜30mm : 100〜120rpm
・A/F 31〜50mm : 50〜100rpm
送り速度
・A/F 4〜10mm : 最大0.05mm/回転
・A/F 10mm以上 : 最大0.15mm/回転
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5. |
クランピング |
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テンプレートと工作物は、ドリルに対して完全に垂直に固定して下さい。
またドリルを水平状態で使用する場合、切削屑の適正除去のため、テンプレートと工作物の間にギャップが必要となります。
ギャップの量はカッターのサイズにより、1mm(小サイズ)から最大4mm(大サイズ)の間で調整して下さい。
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6. |
下孔加工 |
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30mmまでのテンプレートには、それぞれのサイズに合った下丸孔用のセンターソケットが付属します。
しかし31mm以上のテンプレートにはソケットが付属しませんので、下記数値を参考に下孔加工を行って下さい。
また四角孔、六角孔共に下孔にはカウンターシャンク(C面取り)を取らないで下さい。
・四角孔A/F 31〜50mm : A/Fから3mm引いた丸孔
・六角孔A/F 31〜50mm : A/Fから4mm引いた丸孔
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センターソケット寸法表 |
A/F
(mm) |
下丸孔径
(mm) |
A/F
(mm) |
下丸孔径
(mm) |
4/4.15 |
3.5 |
18 |
15 |
5/5.1 |
4 |
19/19.2 |
16 |
6/6.1 |
4.5 |
20 |
17 |
7 |
5.5 |
21 |
18 |
8/8.15 |
6.5 |
22/22.3 |
19 |
9 |
7.5 |
23 |
20 |
10/10.15 |
8 |
24 |
21 |
11 |
9 |
25 |
21 |
12/12.20 |
9.5 |
26 |
22 |
13 |
10 |
27/27.35 |
23 |
14/14.20 |
11 |
28 |
24 |
15 |
12 |
29 |
25 |
16 |
13 |
30/30.4 |
26 |
17/17.20 |
14 |
- |
- |
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7. |
切削 |
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カッターのテンプレートへの挿入及び抜出しは、必ずカッターの回転が停止した状態で行って下さい。
また回転数及び送り速度は規定の数値を厳守して下さい。
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8. |
切削屑の除去 |
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切削屑の除去は適正に行って下さい。
最適な除去方法は十分な量の切削油等を給油する事による自動除去です。
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9. |
給油 |
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工作物が軽金属や真鍮等以外の場合、切削中は十分な量の切削油等の給油を行って下さい。
また冷却を必要としない場合は、表面保護のためテンプレートにグリースを塗布して下さい。
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10. |
カッターの研磨 |
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カッターの研磨は定期的に行って下さい。
標準的な磨耗の場合は(B)面の研磨のみで十分ですが、磨耗が激しい場合や破損した場合は下記手順に沿って全ての面を研磨して下さい。
また再研磨後のカッターは3〜5個を試作後、本切削加工に移行して下さい。
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1. |
(A)面を刃先の方向に研磨して下さい。
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2. |
(B)面をドリルのセンターに対して3°の角度で研磨し、4°(A/F 37〜50mm : 5°)の角度で面取りを行って下さい。この際必ず研磨機を使用して下さい
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3. |
(C)面をドリルのセンターに対して30°の角度で研磨して下さい。
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4. |
軽金属や木等を切削加工する場合は、(B)面をドリルのセンターに対して5°の角度で研磨、10°の角度で面取りをし、(C)面を45°の角度で研磨して下さい。
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11. |
切削加工時の注意点 |
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1. |
高い加工精度を実現するには、加工する材質に適した回転数や送り速度、カッター角度等を見極め、正しい手順で切削加工する事が重要となります。
そのため適正な条件を見極めるためにも、切削試験を必ず行って下さい。
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2. |
切削状態が悪い場合は、送り速度を最低にし、段階を踏みながら徐々に送り速度を上昇させて下さい。
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3. |
試験時に良い結果を得られた条件であっても、回転速度を遅くする事により、さらに良い切削結果を得る場合があります。
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4. |
付属のソケットよりも若干小さい径の下孔を使用する事により、良い結果が得られる場合があります。
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5. |
上記事項に沿った方法で良い結果が得られない場合、カッターの再研磨が必要となります。
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6. |
四角孔(三枚刃)は六角孔(五枚刃)に比べ、テンプレートとカッター間の自由運動(フリーモーション)が小さいため、エッジ角度のRは大きくなります。
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